不明地 所有権制限へ 国、法改正方針「適切な管理」責務に(平成31.2.16 読売新聞)
全国で持ち主が分からない土地が増えている問題を巡り、国土交通省などは、土地の管理を所有者が適切に行うことができない場合には、所有権を制限する方針を固めた。
国は、2020年に土地基本法や民法といった関連法案を改正する方針だ。
国土審議会(国土交通相の諮問機関)は15日に開いた特別部会で、所有者不明地に関する提言案を示した。この中で、土地を適切に利用や管理していくことを「所有者の責務」と位置づけた。これまでは土地の利用や管理に関し、持ち主の責務が法的に規定されていなかった。さらに提言案では、所有者に対し、土地を使わない場合は希望する人に譲り渡したり、貸し出したりすることも求めた。
この提言を受け、国土交通省や法務省は具体的な対策をさらに検討し、20年の国会に、土地基本法など関連法の改正案を提出する予定だ。
所有者不明地に関しては、相続登記の義務化や土地所有権の放棄を可能にする制度改正も検討されている。民間の研究会の推計によると、全国の所有者不明地は16年時点で約410万ヘクタールある。