贈与について
・贈与は生きている人から生きている人への財産の承継です。手続は相続とは全く別の手続です。
・税金も、相続は相続税ですが、贈与は贈与税になります。この贈与税などの税金が、贈与をする場合に最も気をつけるべきことです。
・贈与税には、様々な特例がありますので、その特例の要件にあてはまれば贈与税を節約することが可能です。
・不動産の中に農地(田、畑)が有る場合、贈与する場合は農地法の許可等が必要です。相続においては農地法の許可等は不要です。
・贈与で検討すべき農地法の許可は、3条許可と5条許可です。3条許可は農地を農地のまま移転する場合の許可ですから、受贈者(贈与を受ける人)が農業をすることが前提です。5条許可は、農地を宅地などに転用する目的で移転する場合の許可ですから、住宅を建てるなどの転用目的が必要です。
配偶者特別控除を利用した不動産の贈与
婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与があった場合、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで贈与税がかからないという特例です。
【要 件】
(1)夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後の贈与であること。
(2)居住用不動産の贈与であること又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与であること。
(3)贈与のあった年の翌年3月15日までに住んでいることと、引き続き住む見込みであること。
(4)同一配偶者間で、かつてこの特例を利用したことがないこと。
(5)贈与税の申告をすること。
相続時精算課税制度
贈与を受けたときに、一定の税率で贈与税を納め、贈与者が亡くなったときに相続税で精算するものです。
【要 件】
(1)対象者
贈与者(贈与する人)
…贈与をした年の1月1日において60歳以上の父母又は祖父母
受贈者(贈与を受ける人)
…贈与を受けた年の1月1日において18歳(令和4年3月31日以前の贈与については20歳)以上で、かつ、贈与者の直系卑属(子や孫など)である推定相続人又は孫
(2)適用になる財産など
贈与財産の種類、金額、贈与回数に制限はありません。
(3)申告をすること。
贈与税の申告期間内に、相続時精算課税届出書を贈与税の申告書に添付して、税務署へ提出しなければなりません。
【計算方法】
複数年にわたって非課税枠2,500万円が与えられ、それを超えて贈与がなされた場合に限って一律20%の贈与税が課税されます。
★相続時精算課税を選択すれば、生前に贈与しても2,500万円以内であれば贈与税はかからないということになります。
なお、贈与税の課税方法には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあり、受贈者が贈与者ごとにそれぞれの課税方法を選べます。
「相続時精算課税」を選択すると、その後、同じ贈与者からの贈与について「暦年課税」に変更することはできません。
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