株式会社設立登記・その他

株式会社設立登記

中小企業のほとんどは株式譲渡制限が付いた会社ですので、以下は株式譲渡制限会社であることを前提に記載します。

株式会社の設立について概略を説明します。
まず設立の方法には、次の2種類があります。
1.発起設立・・・設立時株式のすべてを発起人が引き受ける方法
2.募集設立・・・設立時株式を発起人以外の第三者も引き受ける方法
発起設立は募集設立より手続が簡単で、発起設立の方が多く利用されますので、発起設立の手続を以下に説明します。

■発起設立の流れ
①設立準備・・・株式会社の基本事項を決定します。  
 商号 目的 本店所在地 公告の方法 発行可能株式総数 株券の不発行又は発行 株式の譲渡制限 取締役会を置く旨 監査役を置く旨 役員の員数 役員の任期 事業年度 設立時の役員 発起人 資本金 など 
※この時点で許認可の必要性をチェックします。

商号→英字を商号に使うことは可能ですが、登記するには全角文字でないといけません。また、同一場所に同一商号の会社は登記できません。
目的→適法性・営利性・明確性などが必要です。将来の事業でも記載できます。
本店所在地→定款には、最小行政区画まででも、番地まで決めてもどちらでもOKです。
発行可能株式総数→設立時発行株式総数の4倍を超えてもOKです。(株式譲渡制限会社)
株券→会社法では不発行が原則です。
株式の譲渡制限→ほとんどの会社は株式譲渡制限を定めています。
取締役会・監査役→置かないことも可能です。
取締役・監査役の任期→10年まで伸長できます。(株式譲渡制限会社) 資本金→特に制限はありません。

②目的の適格性の調査  
 目的については、適法性・営利性・明確性などを調査します。また、目的に漏れはないかもチェックすべきです。

③会社の印鑑を作成

④発起人・取締役の印鑑証明書を取得

⑤定款の作成・公証人役場において定款の認証  
 電子定款の場合は、4万円の印紙代が不要です。
 公証人は、会社の本店所在地を管轄する法務局所属の公証人でなければなりません。

⑥資本金の払込  
 定款の認証後に、発起人名義の金融機関口座へ資本金を全額振り込みます。

⑦登記申請書類の作成  
 作成した書類に会社の印鑑・代表取締役の実印などを押印して頂きます。
 資本金振込済みの通帳コピーを頂きます。

⑧設立登記申請   登記申請日が会社の設立日となります。

⑨登記完了・・・新会社成立

⑩官公庁への届出  
 税務署・市区町村役場・県税事務所・社会保険事務所・労働基準監督署など必要に応じて届出をします。

■必要な費用

定款の認証
(公証人役場)
電子定款の場合
・定款認証手数料 3万円~5万円
・電子文書保存料    300円
・謄本2通の場合 約2,000円
登記申請 必要な実費
・登録免許税 資本金の1,000分の7
→15万円に満たないときは 、15万円
・設立後の登記事項証明書代 1通 480円
・設立後の印鑑証明書代   1通 450円
司法書士報酬 10万円~(別途、消費税必要)

※令和4年1月1日改訂
資本金の額等が100万円未満の場合「3万円」
資本金の額等が100万円以上300万円未満の場合「4万円」
その他の場合「5万円」と改訂されました。

上記以外に新会社の印鑑作成費用が必要です。当事務所にご依頼頂ければ、作成依頼代行致します。

役員(取締役・監査役など)変更の登記

 役員の任期は、取締役は2年・監査役は4年が原則です。詳しくは、選任後2年(取締役)又は4年(監査役)以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までと定められています。
ただし、株式譲渡制限会社については、定款で定めることにより、上記の任期を最長10年まで伸長することができます。
 役員の任期が満了する毎に役員変更の登記をしなければなりません。この役員変更登記は、同じ人が再任(重任)する場合でも必要です。
 任期を10年まで伸長した場合は、役員変更登記をする回数が減るメリットはありますが、任期満了がいつなのかを忘れないようにしなければなりません。
 登記すべき期間内に登記をしなかった場合は、裁判所から過料の制裁に処される可能性がありますので要注意です。

 役員変更登記は、上記の任期満了によるもの以外にも次の場合などで必要です。
・任期の途中で辞任等する役員がいる場合
・役員が死亡した場合
・新規に役員が追加する場合
・代表取締役の住所が変更した場合
・婚姻等により役員の氏名が代わった場合

■必要な費用

登記申請 必要な実費
・登録免許税 1万円
(資本金が1億円を超える場合は3万円)
・登記事項証明書代 1通 480円 等
司法書士報酬 3万円~(別途、消費税必要)
※住所・氏名変更等株主総会等の決議が必要ない場合は、
15,000円~(別途、消費税必要)

 

目的変更の登記

 会社の目的を変更する場合は定款を変更する必要があります。この定款の変更は株主総会の決議によりおこないます。会社の目的も登記事項であるため変更登記をしなければなりません。
 会社の目的を事業の拡大などに応じて、追加・変更する際も、適法性・営利性・明確性を調査しなければなりません。また、許認可が必要な場合には、どのような文言にしたらよいか関係省庁に確認したほうが良いです。

■必要な費用

登記申請 必要な実費
・登録免許税 3万円
・登記事項証明書代 1通 480円 等
司法書士報酬 3万円~(別途、消費税必要)


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