株式管理は、株式会社の基盤となる事務手続きであり、会社の経営安定を脅かすリスクへの対策です。
事業承継・M&Aの前提としても不可欠です。
しかし、会社法等に基づき株式管理を適切に行うことは簡単ではありません。
当事務所は、株式管理に関する業務を専門的に誠実に行います。かつ、各会社の実情に最も適した形で対応致します。
〈対応例〉
・定款の整備
・株主名簿、株式取扱規程、株式譲渡契約書などの作成
・株券不発行会社への変更
・その他株式関連手続の整備
お気軽にご相談ください。
目 次
株式管理の重要性
株主は株式議決権によって会社経営に関与します。取締役等の選任・合併・会社分割・解散など、会社の基本的方針を決定するのは株主総会で、その株主総会で株式議決権を行使するのが株主です。ですから株主は会社を所有し支配しています。
中小企業では、親族や友人・知人などが株主である場合が多いようです。
経営に協力的な株主なら良いですが、すべての株主がいつまでも協力的とは限りません。
また相続によって株式が分散したり、会社とは全く関係のない子などが株主となるリスクもあります。
名義貸株主や所在不明株主の存在も対処すべき問題です。
会社法上は、持株比率等によって株主に様々な権利が与えられていますから、株主は持ち株数が少なくても無視できない存在です。
「経営を安定させること」と「会社を継続的に発展させること」は、会社経営者にとっての最重要課題ですが、株式に絡む紛争が発生した場合、会社経営を根底から揺るがす大きな問題に発展する可能性があります。
現在においては、コンプライアンス(法令遵守)は当然のことであり、国民の権利意識の高まりを考慮しても、法令に基づいて適切に株式管理を行うことは重要な経営課題だと思われます。
株式管理を適切に行い株式の分散防止に努めることによって、経営を安定させ後継者への円滑な事業承継に繋げるべきです。
中小企業の経営者は、株式に関する問題を意識することはほとんどないのが実情です。リスクは存在しても、問題として顕在化しないうちは表面上問題ゼロだからです。
しかし、株式に関するトラブルは突然起こる可能性がありますので、早めに対処しておくべきです。
事業承継の前提として株式管理は重要ですし、M&Aにおいては株式管理がしっかりしていないと頓挫してしまう可能性があります。問題のない状況において早めに着手し、先延ばししないことが重要です。
株式譲渡制限は、相続には無関係であることをご存じですか?
ほとんどの中小企業は株式譲渡制限を設けています。
株式譲渡制限とは、「当会社の株式を譲渡により取得するには、株主総会の承認を要する。」とか「当会社の株式を譲渡により取得するには、取締役会の承認を要する。」というような規定です。
これは定款に規定されていて、かつ登記事項ですから登記事項証明書にその旨記載されています。
これはご存知のとおり、株式会社に好ましくない株主が入ることを防ぐために設けられています。
この規定によって、好ましくない人物が株主になることを防いで、経営安定に寄与することが狙いです。
ただ、この規定は株主の相続には全く関与しません。
つまり、相続によって好ましくない人物が株主になることは、この規定では防げないということです。
「うちは譲渡制限があるから大丈夫!」などと考えていてはいけません。
株式を分散させないことによって経営を安定させるべきですので、株主の相続については事前に対策を検討しておく必要があります。
相続人に対する株式の売渡請求をご存知ですか?
極めて簡単に説明します。
株式会社は、相続などにより譲渡制限株式を取得した者に対し、当該株式を当該会社に売り渡すことを請求することができる旨を定款に定めることができます。
株式譲渡制限では、株式の譲渡に関しては制限を加えることができても相続などに制限を設けることはできませんが、定款変更してこの規定を定めれば、相続など一般承継によって取得した者に会社から売渡請求をすることができます。
ただし、当該会社が相続などがあったことを知ったときから1年以内であることが必要ですし、自己株式の取得ですから分配可能額を限度とする財源規制があります。
株主名簿を適切に備えていますか?
株主名簿は株式管理の基本
株主名簿の整備は法律上の義務ですし、整備しておかないと株主とのトラブルになりかねません。
株券不発行会社は、株券を発行しないので、株主名簿が唯一の株主の証明になるからです。
そういう意味で昔より株主名簿の重要性は増したと言えます。
また、株券不発行会社の株主は、株券によって株主であることを簡単に証明することができないので、会社に対して株主名簿記載事項を記載した書面の交付を請求することができます。
この書面を交付するためにも株主名簿は重要です。
株式管理は経営安定の基本
経営者は株式管理を適切に行い、株式の分散防止に努めることによって、経営を安定させる必要があります。
株式管理のためには、株主名簿の整備が肝要です。
株主名簿によって株式・株主を管理すべきです。
株主名簿を整備する前提として重要なものが定款や株式取扱規程ですので、それらも同時に整備する必要があります。
株主名簿の作成
さて株主名簿の作成方法ですが、様式は決められていないので、法律(会社法121条など)で定められた事項を漏れなく記載すれば良いことになります。
記載事項の概略は次のとおりです。
・株主の氏名又は名称及び住所
・株主の有する株式の数
・株式を取得した日
・株券の番号(株券発行会社で株券が発行されている場合)
・その他質権に関する事項など
次に株式取扱規程ですが、これは株主名簿の書換やその他の事項などを規定して、株式の管理を行うルールです。
株主名簿を作成しても、名義書換の方法や株主名簿の管理方法が明確に決められていないと、株主名簿自体に信頼性がありません。「誰かが勝手に書き換えた」などということでは困ってしまいます。株主名簿の信頼性を高め保持するために規定する必要があります。
具体的な内容は、会社の実情に応じて決定すべきと考えます。
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