ためになる会社法

1,株式会社とはどういうものか?
株主の有限責任
→会社の種類には、株式会社・合同会社・有限会社・合名会社・合資会社の5つがあります。有限会社は現在では新たに設立することはできません。
 株式会社の特徴としては、まず株主つまり出資者が有限責任であるということです。株主になろうとする者は株式の引受金額を払い込む必要がありますが、払込が終了して株主となった後は何ら責任を問われることはありません。会社が大きな債務を負って破産しても株主としての責任は問われません。会社の債務額にかかわらず株式の引受金額についてのみ責任を負います。責任に限度がありますので有限責任です。
 取締役は社外の第三者に対して責任を負う場合がありますが、それは取締役としての責任であって株主としての責任ではありません。また、会社の債務につき代表取締役が連帯保証をした結果、会社の債務を代表取締役が代わって支払うこともありますが、それは保証人としての責任であり株主としての責任ではありません。
大きな会社に適している
→株主の責任は有限責任ですから株主としての最大の損失は出資金が全く戻ってこないことです。つまり株式の価値がゼロになることです。それ以上の損失は発生しません。ですから株主は安心して出資できます。また1株の価値はそれほど大きくはないので少額の出資もできます。このようなことから多くの出資者が気軽に出資することによって多額の資本が集まります。多額の資本によって大きな会社を作り大規模な事業を行うことができます。
 以上のように株式会社は大きな会社に適していると言えますが、実際は個人経営や家族経営のような小さな会社が多く存在します。

2,資本金とは?
→個人が小さな会社を作る場合は出資額全部を資本金にすることが通常です。つまり100万円を出資して会社を作った場合、資本金も100万円です。この資本金は使って良いのか?と聞かれることがありますが、当然使って良いお金です。通帳の中に動かさずに保管しておかないといけないというものではありません。ただ会社のお金ですから会社のために使う必要があります。
 たとえば資本金100万円で野菜など材料を仕入れ、キムチに加工して200万円で売ったとしますと、100万円は野菜など材料に変わり、その後200万円に変わったことになります。このように資本金は会社の事業に伴って使われ変化していきます。金額が増えることもあれば減ることもあります。会社の財産は増減すると言うことです。
 ただ会社の財産と資本金は同一ではありません。会社の財産が日々増減しても資本金は増減しません。資本金は会社の登記事項ですから登記事項証明書に記載されています。この資本金は一定の手続きをしないと変更できません。ほとんどの会社は資本金の変更は何年もしません。会社を設立してから資本金は最初のまんまという会社も沢山あります。ですから会社の財産は日々変化しますが資本金は変化しないのです。
 資本金とは「会社財産確保のための基準となる一定の計算上の金額」と言われますが上記のとおりであり、資本金額が常に預金や現金として確保されている訳ではないこと、会社の財産とは違うことなどを理解する必要があると思います。