「資格者は誰でも同程度か?」
医者は誰でも同程度か?
つまり、やぶ医者は存在しないのか?
普通に考えれば皆さん否定されると思うのです。
天皇陛下を診察する医者もいれば、やぶ医者も現実にいるからです。
幼い頃から医者には何度も接しているので、医者には差があることを感覚的に理解できるのかもしれません。
ところが、一般の人は弁護士や司法書士などとは滅多に接しないので、
差を判断できないためか誰でも同じと考えてしまう傾向が強いように感じます。司法書士も医者や大工などと同様で、それぞれ能力が違います。
なぜ、こんなことをブログで書くかというと、以前ある女性が困ったことで相談に来たことがありました。すでに別の司法書士に相談しているが解決しないということでした。
私は、ザッと話を聞いて頭に浮かんだ策があったので、詳しい資料を持って再訪するように言いました。
実を言うと、その人のために100万円ぐらいは請求しようと直感的に考えていました。
ところが、翌日だったか、わざわざ事務所まで来て
「相談した件は、もう何もしなくていい」
と以後の対応をキャンセルしました。
その豹変ぶりに理由を聞いたら、
「知り合いから、資格者として同じ司法書士だから、前の司法書士と結果は同じ!!」
と言われたそうです。
私は大変呆れました。
事務所の入り口でそれだけ言って、さっさと帰って行かれました。
知り合いの判断にも、その言葉を、そのまま受け入れている本人にも非常にがっかりしたことを覚えています。
追いかけて引き留めれば良かったのかと思ったほどです。
その人の、それまでの経緯から考えて、その後は何もせず諦めることは確実でした。
人間は、簡単に知らないうちに、大きな損をしてしまうものです。
それ以来、一般の人は「司法書士は誰でも同じ」と考える可能性を強く意識するようになりました。
実際、訴訟など全くしない(できない)司法書士は沢山います。
そんな司法書士にだけ相談するとミスリードされる可能性があります。
相談を受ける側は、自分の自信のないことは省略します。触れたがらないのです。
ですから、1人の資格者にだけ相談した場合は、そのようなリスクがあることを頭の隅にでも入れておくべきです。
そして、司法書士でも他の資格者でも、依頼する場合は資格者をチェックし選択するぐらいの姿勢でいた方が良いと思います。
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近隣トラブルの解決に向けて
隣近所から受ける迷惑行為で悩んでいる方は多いと思います。
近隣トラブルの悩みは小さいようですが、被害者にとっては大きな問題です。
そして、解決しようとしても、なかなか解決に至らない独特な難しさがあります。
その原因は、
①相手が隣近所なので、迷惑行為をやめるように強く言えない。
②行政に相談しても解決しない。
③弁護士や司法書士が業務として受けようとしない。
④自動車事故を保険で解決するような解決のシステムが無い。
などです。
①と②については、特に説明する必要はないと思います。
④については、未だ私は解決システムについて聞いたことがありません。そのようなシステムがあれば良いのですが・・・。
次に③について考えます。まず司法書士から、
司法書士の無料相談でも割と近隣トラブルの相談は多いと思いますが、
司法書士は受任しようとしません。
「困りましたね~」
「市役所に相談してはどうですか・・・」
ぐらいのことで、司法書士自身が解決しようとは思いません。
私自身が、そうでしたから。
開業して34年で、かつ訴訟も多くやってきた私がです。
まず、司法書士は問題解決のノウハウを知りませんし、解決しようという意欲もありません。
ほとんどの司法書士は、そうです。
試しに近くの司法書士に電話でもしたら分かります。
次に弁護士についてです。
私は弁護士ではないので推察することしかできませんので、以下は私の推察です。
皆さん能力は当然備えているのでしょうが、ちょっとした問題があるのだと思います。
それは報酬の問題だろうと思うのです。
「隣の落ち葉が大変だ」とか、
「隣の枝が越境している」とか、
「隣から蚊などの虫が大量にやってくる」
などの問題を解決しても多くの報酬は貰えないのだろうと思います。
つまり、多くの報酬を前提とした委任契約は、依頼する側が考えていないだろうから弁護士側も遠慮してしまうのではないかと思います。
慰謝料が沢山取れれば、そのなかから報酬を支払えば良いのですが、日本の慰謝料は安いというのが相場です。
慰謝料が沢山取れなければ、依頼人は手出ししないといけない。自分は迷惑を被っているのに、その上に、なぜ弁護士報酬まで取られないといけないのか?と被害者は思うわけです。
それが想像できるから弁護士も受任に後ろ向きになるのだと思います。
おまけに、現場を見ないと詳細がつかめない。
加害者が隣なので微妙に気を遣わないといけない。
損害の立証が難しい。特に過去の・・・。
など、マイナス要因が多くあると思います。
このようなことが原因で弁護士も受けたがらないのではと、推察しています。
以上のような現状があるので、近隣トラブルはなかなか解決しないのだと思います。
加害者側としては、行政から強く言われるわけでもなく、慰謝料を請求されるわけでもない。
隣から苦情を言われてもやり過ごせる。
というような状況が分かっているので根本的に解決しようとしない。
特に空き家の場合は、取り壊しには費用がかかり、そのうえ土地の固定資産税が高くなる可能性もあって取り壊したくない。
つまり、荒れ放題で放置してしまう。
これも近隣トラブルが解決しない原因の一つです。
近年、空き家対策法などの法整備が徐々に進んでいますが、多数の高齢者が今後死亡して空き家がドンドン増える現状においては、近隣トラブルが激減することは考えられないのです。
このような状況にあって私は、できるだけ近隣トラブルを解決したいと考えています。
方法としては、
・慰謝料を請求すべき場合には、訴訟などして、できるだけ私の報酬を賄えるように努力する。
・可能な限り穏やかな方法で解決する。
と考えています。
隣近所のトラブルですから、後々のことも考えて穏やかに解決したいと思います。
そして依頼者にできるだけ費用の負担をかけないようにと考えています。
住環境が近隣を含めて良いというのは素晴らしいことで、人間が生活するうえで根幹となる非常に大事なことです。
近隣トラブルを解決することによって、綺麗で快適な地域作りに少しでも役立ちたいと考えています。