ブログ一覧

本年1月13日より、自筆証書遺言の財産目録は自書不要!!

 本年1月13日より、自筆証書遺言の財産目録については、自書不要になります。

 これは割と意味のある改正だと思います。自筆証書遺言は自分一人で簡単に作成できるのは良いのですが、不動産の表示などが不明確で登記できないことがあります。

その点、今回の改正では、ワープロによる記載でも良く、登記事項証明書のコピーを添付しても良いのです。記載ミスが減るのではないかと思います。

 また、書き損じて書き直したい場合など、自書だとすべて書き直す必要がありますが、財産目録だけは自書しなくても良いので非常に楽になります。

 財産目録ですから、不動産だけではなく預貯金などにも応用できます。自筆証書遺言を作成するうえで、大きなプラスになることは間違いないでしょう。

 ただ、2020年7月10日からは、法務局による自筆証書遺言の保管制度が始まります。これを利用すると家庭裁判所の検認が不要になります。この改正はもっとインパクトがあるでしょう。なんと言っても検認が必要なことは、自筆証書遺言の大きなデメリットですから。
 
自筆証書遺言に関する改正情報は、こちら

2019年01月07日

借金を払わなくても良い場合がある!知っていますか?

 近頃、長~く支払っていなかった借金について、突然、請求の文書が送られてきたり、裁判手続きをされたり、という人が増えているようです。

 私の事務所にも、「東京簡易裁判所から通知が届いたが、どうしたらいいか?」とか、「督促状が届いて困っている。夜も眠れない。」などといった悩みを持って、相談に来られる方が最近増えてきました。債権者側が、長く放置していた債権を請求するようになったのでしょうか?

 請求書や督促状を送るだけではなく、訴訟や支払督促なども実行してくる状況です。困ったことに消滅時効が完成していても、それには関係なく裁判所は手続きを進めてきます。
消滅時効の知識が全くない方などは、裁判所からの書類に観念してしまって、払わなくても良いのに払っているのではないかと危惧しています。一般の方なら消滅時効の知識が無いのが普通でしょう。

 そこで、できるだけ多くの方に知ってもらいたいことを書きます。
★消費者金融などへ5年以上払っていない場合、払う必要が無い可能性が大
★裁判されても時効が完成していれば払う必要無し。裁判には勝ちます。
★絶対、安易に払ってはいけない。
★電話をしてはいけない。
★早急に、信頼できる弁護士または司法書士に相談する。
 
 弁護士は問題ないでしょうが、司法書士は債務整理関係について全く知らない方がいます。行政書士は権限が不十分ですし、ほとんどの方は知識や経験が不十分でしょう。知人や友達に聞いて判断するのは論外です。
 
 この記事を読んで、少しでも助かる方がいらっしゃれば良いのですが。

 平瀬司法書士・行政書士事務所 個人のお客様

                    法人のお客様

2018年12月21日

父親から相続した母親の財産について分割協議は必要か?

 あるご婦人から相続に関する相談を受けました。最初に聞いたときには意味不明でしたが、よくよく聞いてみると、話の内容は次のようなものでした。家族関係は、母親と長男を含めて数人の子です。相談者は長男の妻です。

「父親が亡くなって、母親と子供たちで話し合いをして財産を分けた。まだ、母親は元気だが、先々母親の財産についても兄弟で分けないといけないのか?夫(長男)は、すでに財産分けをしたんだから、再度の話し合いは必要ないと言っている。夫(長男)は、母親の財産は自分が貰うとも言っている。それで良いのか?」

 つまり、父親の相続財産につき遺産分割協議をしたのだから、それを相続した母親の財産については、遺産分割協議は不要だろうという長男の意見です。
 私は思わず「ええ~!!」と言ってしまいました。そして、一般の方々の発想が全く違う次元であることを改めて感じ入りました。私は、「それは全くの間違いであって、母親の財産については遺言が無ければ、改めて遺産分割協議が必要です。」と答えました。
 30年司法書士をしていて、こういう質問は初めてでしたが、良い経験になりました。考えてみれば、専門家には当たり前で話題にも上がらないことが、専門以外の人には分からないことってよくありますよね。今後の参考にしようと強く思いました。

平瀬司法書士・行政書士事務所 個人のお客様
               法人のお客様

2018年12月11日