Q4、Q3の問題発生を防ぐ方法は?

A:次の2つの方法が考えられます。
★①株券を発行し、譲渡の際に交付する。
★②株券不発行会社にして、株主名簿を整備する。

(説明)
★①は、会社を株券発行会社の状態のままで対応する方法です。しかし、以下のようなデメリットがあります。

 ◎株券の発行に費用を要する。
 ◎株券を保管する必要がある。
 ◎紛失・盗難の恐れがある。
 ◎株式の譲渡に株券の交付が必要であることを、関係者全員が失念する可能性がある。
 ◎株券の善意取得、株券失効制度、株券の発行時期・株券の効力発生時期、株券不所持制度など考慮すべき事項が多い。

以上のデメリットを小さくする方法はありますが、株式譲渡の際には株券の交付が必要ですから、以上のデメリットをゼロにすることはできません。

それに加えて
 ★現在の会社法では株券発行が原則である。
 ★上場会社は株券発行会社である。
ので、株券は世の中から消えていく運命です。
実際には株券を発行していない会社が大部分ですので、事実と法律上の制度とを合致させて、次で説明するように株券発行会社にする方がいいと思います。
つまり★①の方法は、あまりお勧めできません。

★②は、会社を株券発行会社にする方法です。この方法には、上記のデメリットがありません。株主名簿を整備する必要がありますが、これは株券発行会社も同じです。つまり、★①の方法でも株主名簿を整備しなければなりません。
具体的方法は、定款変更がまず必要で、あとは株券を発行しているかどうかで手続が違ってきます。そして、「当会社の株式については、株券を発行する」と記載されている登記を廃止します。あとは株主名簿を整備し管理すればよいことになります。

2018年11月25日